もうかれこれ16年も前のこと。
当時中学校3年生の夏、バスケットに夢中だった若かりし頃のハナシ。
顧問の先生の指導とチームワークに恵まれ、和気藹々と楽しんでいた。
怪我したり、キツイ練習で辛いことも多かったけど、とても充実していた期間だった。
練習した成果も結果として残り、地区大会では優勝。
その後夏休みには県大会へと出場し、奇跡的にも決勝戦まで勝ち進み、惜しくも準優勝とまでなった。
県大会2位まで関東大会に出場できるとのこと。
中学校のバスケ部創立始まって以来の快挙(?かどうかは分からない)だった。
そんなアツイ中学生時代の隙間的な思い出。
県大会は二日間行なわれたわけだが、二日目の準決勝戦と決勝戦の当日。
バスケットの選手は5人スタメンのベンチ10人、計15人の登録メンバー。
その15人のうち、3年生は13人。
そのうちの1人、ベンチ入りのサブメンバーが一人休んだ。
その彼の名はヤマグチくん、通称「ヤマ」。
今回のいわゆる主役。
でも主役でありながら、その存在感はほとんどないのだが・・・
「今日ヤマどうしたん?」
「知らねー、昨日は元気だったけどな~」
「なんか事故でもあったんかい?」
「怪我じゃないよな」
など、イロイロ不確定情報のやり取りが行なわれる。
が、しかし、当日準決勝を向かえ、相手は強豪校で今まで勝ちなし。
走る緊張感の方が先行し、ベンチメンバーの1人が休んでいることへの注意は少なくなっていた。
とはいえ、やはり誰かしら情報源を持っているらしく、誰からかドコからか
『ヤマさぁ~、なんか膀胱炎になって入院したらしいよ~』との情報が。
よく聞く症状とはいえよく遭遇する症状でないだけに
「ええ~っ!?」とか「なんじゃそりゃ~?」とか。
おかしいやら、恐ろしいやら、中学生ながら緊張感の高い中複雑な心境になったことを思い出す。
第一意味が分からない、なんでこの期に及んで膀胱炎なのか?
まあ確かに、前日はトーナメントを3戦勝ち抜いて、3試合目などは拙戦もよいとこ
みんなして足をつりながら勝ち抜いての準決勝へのキップを手にしたところ。
ベンチの応援も力が入り、一瞬も目を話せない状態が続いていたわけで・・・
そりゃトイレに行くのも忘れちゃうくらいの熱い戦いをしていたのは確かだったのだ。
その副産物というか、関係ないかもしれないけど、起こった出来事がヤマの膀胱炎。
結局当日は、奇跡的に準決勝で勢いに乗って強豪校を破り、決勝では力尽きて敗退したわけだが・・・
そして思い出したのはその後のコト。
バスケのメンバーみんなして、準優勝の報告がてらヤマのお見舞いに行こうぜ~
と、ハナシが決まったのだ。たしか県大会の翌日。
田舎の町なので大きい病院などなく、入院した病院は隣の市にある。
みんなでローカル線を乗り継ぎ、ちょっとした冒険気分でワクワクのメンバー。
「どうせ入院先で暇だろうから、何かお見舞いで買って行ってやろうぜ~」
と、誰かが言い出した。誰だったかは記憶がない。
駅から病院までソコソコ歩く道のり、途中の本屋さんに立ち寄る。
遊び半分、見舞い品探し半分で一時間以上好き勝手に本屋で立ち読みし出すメンバー。
結局、「ウォーリーをさがせ!」を二冊買った。
なぜ当時「ウォーリーをさがせ!」を買ったのか、その動機は今となっては忘れてしまったが、少なくとも、ネタ的な要素もあったと思われる。
もらった方はどこか苦笑い的な・・・
ダラダラと遊びながらもようやくたどり着いたヤマの入院先の病院。
誰かがナースセンターらしきところでヤマの居所を聞く。
が、どこか不穏な動き・・・
ん?
ヤマがいない?
ココの病院じゃない?
何か間違ったか?
結局、最終的には
ヤマは既に退院していた。
ヘ(_ _ヘ)コケッ
居ないんかよっ!
メンバーみんなに総ツッコミを入れられるヤマ。
でもそのヤマはココには居ない。
ま、膀胱炎というのは事実で、しかも今は(多分)無事であると言う事は確認できた。
仕方なく、みんなして帰っていく事になる。当人が居ないのだから仕方ない。帰るしかないのだ。
帰りの電車で、乗り換えのために駅のホームで皆して待っていた時
「これ開けちゃおうぜ~」
「つまんねーから『ウォーリーをさがせ!』やっちゃおうぜ~」
「いいじゃんヤマのだし、どうせあげるんだから」
勝手に押しかけておきながら、既に退院されすっぽかされた感があるメンバーは
どこか仕返し的なニュアンスも込めて、お見舞いの品を開けて楽しんだ。
田舎のローカル線の乗り継ぎは30分間隔以上。
ほのぼのした時間を悪友たちと過ごした懐かしい記憶が、ふと蘇って来た他愛もないハナシ。
で、なぜ?突然こんなことを思い出したのか?
昨日は決算の打合せ説明を兼ねて、午後3件の顧問先を所長とお邪魔した。
3件も廻るとお茶のサイクルが結構短い&多い。
3件目の会社でさすがにトイレに行き、パンパンに張っていた膀胱を開放させ、普段とは比べ物にならない程長い時間開放感に浸っていた。
いや~、さすがに良く飲んだだけに溜まってたな~
もう少しで膀胱炎になってたかもなぁ~
ん?膀胱炎?
ふと、膀胱炎というキーワードで、猛烈にフラッシュバックされた過去の記憶。
記憶の鍵って、ふとした瞬間に開けられるものなんだな、と
改めて思い直した出来事だった。
そして、記憶というのは結構鮮明に、色や匂いや、温度なんかも一緒に残ってるものだなぁと
人の記憶のメカニズムの深さに感慨深いものがこみ上げて来た。
“引き出し”と“鍵”
情報の出し入れ、これが身に付けられれて、自由自在に覚えて引き出せるとなると良いな。
記憶術か・・・
勉強や仕事に利用できれば・・・
なんかうさん臭いな
ま、想い出は、きっと頭の中に残っていると言うことだ
そんなしまってある記憶(良いか悪いかは別として)、いつ、どんなタイミングで開かれるか
ひょっとすると、玉手箱のようなものかも・・・
はたまた、タイムカプセルのようなものかも・・・
いずれにせよ、脳ってスゴイな
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