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指導力

人が人にモノゴトを教える、伝えるというのは本当に難しい
両者に人格、感情があるからこそ生じるズレ

優れた選手が優れた監督になるとは限らない
自己研鑽と他人指導のギャップはかなり大きい
コーチングの極意と言うか、理論と言うか・・・
ヒトの性質そのものか、心理学的なものなのか・・・

なんでまたこんな事を思うか?

自分の顧問先でのハナシ

とある会社の総務の女の子のハナシ
毎月、その顧問先にはお邪魔して書類を整理しているわけですが
夏に妊娠の報告を聞いて、年末には出産予定とのコト
30歳には及ばずとも、20代後半の彼女
仕事はバリバリこなしていて、気が利くし処理も手早い
キャリアウーマンというわけではないが、いわゆる「仕事が良く出来る」彼女である

その彼女が妊娠をしたことで、当然退職のハナシ、そして中途採用での人員追加のハナシ
引継ぎやら退職時期のハナシなどを軽く聞いた7月

「あと2、3ヶ月はガンバリますよ」と彼女が言う
その間に、新しい人が入って仕事の引継ぎをしていきたいとのコト
そして次の月8月の訪問
早速新しいヒトが入り、熱心に仕事を教える彼女の姿を見る
自分自身も努力して覚えてきた総務・事務を含む仕事全般
きっと誇りを持って取り組んでいるためか、そういう性分からか、とにかく自分に厳しい感じをかもし出す彼女
誠実性を通り越したような潔癖性も、やや含まれているような印象がある
かといって、決して意地悪な感じでもない
普段はとても柔軟である
柔軟な上で、その裏に精鋭さが見え隠れしている感じ

直接見たわけではないが、聞くところによるとかなり厳しく新人さんに教え込んでいるらしい
それはもうビシビシと

「もう、これで4度目の説明です。次は説明しませんからちゃんと覚えてください」
とか
「何度言ったら分るんですか?」
などなど、教える側からついつい出てしまう指導的口調

出来のいい人間ならともかく、普通のヒトなら一度や二度の間違えは当たり前
何度も何度も間違えながら仕事は覚えていくもの
むしろ出来るヒトの技術ややり方を目で盗んでいくのが本来の引継ぎかもしれない

優しさと厳しさは紙一重 まさにアメとムチか
指導する側の感情論や心の広さとかの問題ではないかもしれない
ま、彼女の場合は妊娠によるストレスや情緒的なバランスも影響しているかもしれない

教えられる側にしてみたら、追い込まれるばかりで行き場がなくなってしまうのだろう

そしてその次の9月の訪問時
やっぱり、というか、案の定というか、新人さんは辞めていた
そしてよくよく聞くと、さらにもう一人入ったが、その人も辞めてしまった、という
既に二人引継ぎに耐えられなかった、ということになる

彼女の指導力か?それとも新人さんの精神力か?
いずれかに偏ることなく、双方のバランスにもよるだろうが、50/50ではないのは確かだ

そして今月10月の訪問時 もう1人入ったが、やはり辞めてしまった・・・

結果として辞める彼女の教え方に問題がある、という結論になった
今は、社長の判断で違う方向で引継ぎをしているらしい
3人が3人とも、辞める時には精神的にダメージを受けていたようなコトを言っていた

引継ぎに関しては現在進行形のため、結論はまだ出てない
結局のところ、この彼女の熱心な想いが逆に作用して、芳しくない方向に行ってしまったことになる

指導・伝達というのは本当に難しい
答えや方向性というのはモノの本などに書いてあるかもしれない
だからあえて、こうすれば良かった、とか、ココが悪かった、と言うことを書くつもりは無くて

結局何が言いたいかというと、モノゴトの二面性を改めて感じた出来事だった

他人の事というのは良く見えるもので、自分自身というのはなかなか良く見えない
自分の事は自分自身が一番分っているつもりでいて、正しいと思っていることが甚だ勘違いという事が多い

また、他人に写っている自分像というものが、印象というフィルターを通して乖離しているコト
第一印象や思い込みと言った主観で、他人のイメージを勝手に自分の中に作り出すコト

オモテとウラ 陰と陽 昔から相反する概念は多くある
不思議なものだと改めて実感

教える側と教えられる側 先生と生徒 講師と受験生

受験生は大変だが、講師も大変だということ
受験生は大変だが、試験委員も大変だということ

子供はいつも叱られて大変だが、叱ってばかりの親も大変だということ

どっちが良いか悪いか、のハナシではなく
こころの対話について、もう一度考え直してはどうか

教育というものの奥深さに唸ってしまう今日この頃なのです

コメント

んー。教える方も教わる方も必死だから難しいよね。
うちの事務所は新しい人が入ってきてもだれも教えません。最初は資料みて自分で研究です。だけど聞かれれば親切に教えます。なので聞くことが出来ない人はどんどん辞めてきました。大変だったけど今、思えばこの方が仕事覚えるの早いし責任感も出てくるからいいかも。引き継ぎは軽くであとは自分で考えてくのがいいかもだね。なんでもほどほどが一番なような気がするジョ♪
以上、なにごとも中途半端なじゅんでした(^^)v

じんさん、こんにちは!
事務所内での私のポジションはティーチングスタッフなだけに、今回の記事は考えさせられました。
物事を伝授するって、キャッチボールと一緒だと思っています。
投げる方は相手が取りやすい球を、キャッチする方は「取るぞ!」という意気込みがないと上手くキャッチできません。
全く経験がなくても、意気込みがあれば、練習を重ねて取れるようになりますし、投げる方も丁寧な投球が要求されます。
税法改正や新人さんに物を教えるとき、いつもキャッチボールのつもりで話をするようにしています。
準備不足の相手をいかにやる気にさせるか・・・目下の課題です。

こんにちは
もしかしたら、その総務の女性の方は、
自分がやめることについて、どこか気持ちの上で戸惑いがあるのでは・・・と
ふと思いました。

>じゅんちゃん
仕事を教えないってどういうこと?
なんかすごいスパルタな感じがするなぁ
手取り足取りとまでは行かなくても、方向性や枠組みは指導してもらいたいかな
育成する側にも努力義務はあるはずだと思うな、育て上げる義務というか
プロセスと結果がどういう関係かにもよるかもね
誰がどうやっても同じ結果になる仕事か
きちんとしたプロセスを経てきちんとした結果になる仕事か
jobやtaskとworkというのは違うというような
コミュニケーションというのを介していく仕事なだけに複雑なんだね

>みーみさん
おっ、みーみさんいらっしゃい。ゴブサタです。
ティーチングスタッフってカッコいい呼び名ですね。
キャッチボールはコミュニケーションそのものですよね。
一方的ではなく、相互の交流。
カウセンリングに深く係わる「交流分析」という用語も、相通ずるものがありそうです
交流分析士なる学会認定資格もあるみたいです
ま、それは心理学的要素の強いものですがら、実践の指導・育成とはまた違った分野かもしれませんけど
根本は相互の対話が深く出来るかどうか、かも知れませんね
意欲や向上心というものは、泉のように沸き起こるもので
他人の言動はそのキッカケに過ぎないでしょうしね
『この気もち伝えたい :伊藤 守』という本、まさにみーみさんのおっしゃるとおりの事が書いてあります。
薄くて一見絵本のような本ですが、立ち読み程度でも見てみると、分かりやすくてなるほど納得という感じです。
育てると言うことは、リレーでいえばバトンタッチ ヒトで言えば子孫繁栄
もしかすると人が生きていくうえでの最大の醍醐味かもしれませんね

>ほうちゃん
おっ?こりゃまた奥深いコメントのみで、読み取りが深いですね(笑)
彼女自身の存在意義が、その会社から消えちゃうことへの恐れでしょうか?
退職は前向きな自由意志で「子育てに専念したいので退職します」と言ってたようです
口ではそう言っていたとしても、無意識なところでは仕事とか役職に思う節があるんでしょうかね
いい加減な気持ちではなくて、真面目で責任感があるからこそ指導に熱が入るわけでしょう
やめることへの戸惑いが指導への行動に与えるという根拠
ほうちゃんが、ふと思いついたその結びつきが気になるところですね

“情報社会”とか“情報化社会”とかいう言葉ももー廃れてしまったか
結局のところ、“見ればわかる”という情報は、腐るほどある
税理士試験のテキスト、会社のマニュアル、果てはお母さんの手料理までも・・・

ただ、単純作業ならともかく、そうでないものに関しては
マニュアルだけではわからないものがある
そういったものに対して、講師・指導者なるものがいるわけで
そういう人間も、教育する・指導するための“プロフェッショナル”ってわけですな

自慢ではないですが
ボクはまあそこそこピアノを弾けるわけですが
自分が弾けるからといって、他人に教えるのは全然ダメなのですわ
演奏家と指導者という立場も
同じような気がしますなー

>もんちゃん
なるほどねー、演奏者もプレイヤーだもんね
指導っていうのは導きだから、手取り足取りじゃなくて方向性でいいのかもね
たしかにテキストやマニュアルはホントすごい
本屋さんに行くとそういう本ばかり!
下手くそなギターを上達しようと教本コーナーに行くんだけど、どれがいいのか迷うくらい多い
結局はコツコツと繰り返し弾くコトになるんだけどね
本人のやる気と地道な努力は不可欠だろうし
そういう意味でもんちゃんはピアノが大好きでコツコツと弾き重ねて上達していったわけだ
だから指導する側は、その教わる側のやる気と努力を上手に促すのが役目
それをそいだり、否定するような事は、やっぱりしてはいけないし、そういう危険性に気付く事が大事なのかもね
もんちゃんのコメントで自分なりに答えが出た感じがするな
ありがとさんでした

20代前半のうちは
「言われた通りにやれ」とか
ビシバシでも問題ないけど。

ある程度の経験者になると
最低限のルールだけ教えておけば
あとは後任が勝手に覚えていく
ものなんですよね・・・。
※プライドもあるし

>ゆうさん
プライドかぁ~、あるようなないような
自分の自尊心がどんなもんか分ってないかも
とにかく会話はキャッチボールだから、相互に理解が必要で一方的では何事もダメってことだね
両者のバランスとそれなりの臨機応変さ、か・・・

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