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富士山行記4【移動】

2008年8月8日(金) 昼下がりの午後

意気揚々と車を走りだす。

まずは、食料品の調達だ。飲料、お茶、カップラーメン、etc・・・。
涼しいというより寒い山頂付近や日の出前には暖かいカップラーメンは最高にうまい。
その他に、ウィダーインゼリー、チョコ、飴。
小粒ですぐにエネルギーとなるような非常食も兼ねたお菓子を買った。
それと道のりの途中で食べる遠足用のお菓子など。

お出かけ前のお菓子調達は、大人といえどやはりワクワクする。

と、言ってもたいした物は買わないのだが・・・

 

北京オリンピックが開幕した8月8日は、ものすごく日差しが強く、気温も高いとても暑い日だった。

買い物を終えて時計を見ると午後3時。ようやく富士山への道のりへ進みだした。

本来の道のりは、高崎ICから関越自動車道に乗り、鶴ヶ島JCTで圏央道へ。
そして中央道へ開通した八王子JCTを通って中央道へ。
中央道から大月JCTで富士五湖道路方面へ。
渋滞を加味しなければおよそ2時間半くらいで着くだろう。

ちと、早すぎるな・・・

と思い、余裕を感じたこともあり、ゆっくり行こうと下道でしばらく進む事を決意。
とりあえず、闇雲に見当外れに下道を行くのは時間的にもったいない為、高速道路の側道をを進んでいく事にした。

カーナビ不在の我が車は時代遅れのロードマップを片手に運転。
自分で言うのもなんだが、方向感覚は悪くない。
一度通った道は大抵覚えられるので、迷子になったり現在地を見失う事はほとんどない。
一度も通った事ない道は、むしろ未開の地として好奇心に溢れワクワクする。
時間に余裕があるときの、一つのお遊び的なドライブだ。

数年以上も古い地図を片手にのんびり運転するのは、なかなか悪いものではない。むしろ通った事の無い道を開拓しながら進むのは刺激的だ。
そんな過信から、欲しいと思いながらも、必要性に乏しいカーナビの購入予算は、毎年の受講料の陰に隠れ削減され続けている。

ただ、唯一・・・・距離と時間が全然読めない。

そして、起伏がサッパリ分らない。

 

そうこうしている間に、やはり山あいに入り込んだ。
本庄ICを過ぎ、寄居SA付近には流石にくじけそうになった。
雑木林を通り抜ける道は、すれ違うことは皆無なほど狭いうえに、不法投棄された粗大ゴミから善意を欠いた人の存在とあわせて、その寂しい空間に悲しさを覚える。

普段なら通るはずも無い道から、普段とは別世界の風景が目に入る。
旅の醍醐味とは、こういうことかもしれない。
目的地に到着する事だけが旅ではなく、移動の過程も旅そのものだ。

高速なら20分ともかからない区間を40分以上も掛けてゆっくり進んでいる。

やはり、時は金なり・・・か。

ま、焦ってもしょうがない、子供も午前中の遠足が疲れたようで後部座席で昼寝をしている。
カーラジオはFM群馬。ローカルな番組を聴きながらのんびり進む。

日はまだ高く、気分は上々だ。
早退した職場では、まだみんな働いている時間だ。
少しの気後れと、多くの開放感で試験後2日とは思えないほどの精力的な行動を楽しんでいる。

 

花園ICを過ぎた。

移動した距離にして、かかった時間が全くアンバランスだ。
おまけに、前にはさらにゆっくり走るトラックが。

しばらく、そのゆっくり走るトラックの後ろを走る。

 

・・・( ̄  ̄;) うーん

遅い・・・

しかし遅い、遅すぎる・・・sweat02

時速40キロだsnail

それほど気が短いほどではないのだが、さすがにカリカリ気味だ。
時間も出発後2時間近く経過してきた。

さすがに・・・

もう、下道は飽きてきた(◎-◎)

 

あっさり最寄りの嵐山小川ICから関越自動車道に乗った。
どうやらまだ比較的新しいICらしい。

本来なら高崎ICから高速で30分程度の場所だった・・・。

のんびり・・・と、が、2時間・・・

4倍も時間掛けて・・・

無駄?(・Д・) 

イヤ、贅沢な時間の使い方、としておこう・・・

そうでもないと、単なるバカだ。
イヤ、すでにバカだ。“単なる”でもなんでもない。
いいのだ、楽観的O型だ。

今まで知らない、通ったことの無い道を通れた。

FMから浅間山の噴火活動の警戒レベルが上がったと報道された。
バカと自然脅威の現実の距離は、ありえないくらいかけ離れているのだ。

 

高速に乗ってからは、快調に関越道~圏央道~中央道と進んだ。
夕暮れはもう少し先だ。談合坂SAで少し早めの夕食を食べる事にした。
大きいSAなだけに、さすがに人が多い。平日なのに。

ラーメンバカのバカ親子は、やはりラーメンを注文。SAのラーメンは結構侮れない。
突出した美味さはなくとも、万人受けする味の安定さが、何よりもの魅力。
不機嫌そうなアルバイトのお姉ちゃんが、せっせと出来上がりの呼び出しをしている。

談合坂ラーメン なるものを注文した。ピリ辛味噌ベースのラーメン。
ネーミングと内容の関連性に疑問を抱くわけでもなく、ご当地ラーメンというキャッチにあえて乗るという選択。

その選択には、嗜好性ではなく娯楽性を含んだ思惑が大きい。

味の方は・・・ピリ辛味噌ベースの味。
作って頂いた方への感謝の気持ちを込めて、美味しく頂いた、という事に尽きる。
ご馳走様、とは大切な挨拶であると改めて気付く。

ウマイマズイは個人の主観なのだから。

 

お腹を満たし、休憩もすんだ。そろそろ夕暮れも近づく頃だ。
080825
富士吉田ICから富士五湖道路方面に入った直後、車内から子供が取った富士山
道の真正面に霞が係った雄大な富士山
あそこの頂上まで登るという実感が、いよいよ強くなる。

そのまま須走ICまで走り、最寄りのローソンで最後の食料調達。
オニギリを買った。

ふじあざみラインマイカー規制のため、シャトルバスに乗り換える。
オニギリを調達したローソンからすぐ近くの仮説駐車場から出発する。

大人往復1500円
子供往復750円

まあ、それなりの値段だろう。
19:30発のバスに間に合った。
道具の準備や着替えを済ませて、バスに乗り込んだ。

周りは日が暮れてすっかり暗闇だ。
すれ違う車もほとんどない。
規制もされているからなおさら少ないはずだろう。

ぐるぐると右へ左へのカーブが続く山道を延々と上る。
標高も1900mのところまで一気に上る。
おおよそ30分強の道のり。
5合目の駐車場に到着。

空気の鮮度と温度が下界とまるで違う。

子供は張り切って、先を急ぐように進みだしていく。
未知の登山のワクワク度は想像以上の楽しみなのだろう。

足よりも気持ちの方が先に進んでしまっているようだ。

須走口の五合目には2件の山小屋、休憩するお土産屋がある。
その軒先から歩道を挟んで、むかいに木製のベンチが並んでいる。
登山をする前の客、登山を終えた客、それぞれが準備や休憩のため座って賑やかだ。

富士山は五合目に到着してから、準備運動して、さぁ登山!

という事を、決してしてはいけない。そんな事をすると高山病へまっしぐら。
低めの須走口といえど、少しは身体を高所に慣らしてから行くのが、成功へのポイントだろう。
とにかく、あせらずゆっくりじっくりと、コレが鉄則だ。

とは言うものの、今回の我が家は、あせらずゆっくりじっくり、という次元ではなく、そこのベンチで野宿をしようと目論んでいる阿呆だ。
成功へのポイントを通り越して、一つ間違えば失敗すらない、棄権ともなりうる選択をしてしまった。

ま、済んでしまった事なので今更、深き考察は省略してしまおう。

とにかく、シュラフを広げ、子供をその中に入れ、自分はレインコートなどを着込み横になった。
持って行ったポケットラジオでFMを流しながら時間が過ぎるのを待った。
すぐ向かいの歩道では、多くの人が意気揚々と賑やかに登山口へと向かっていく。

目をつぶってウトウトしてくる頃に、突然ハイテンションのノリの若者がゲラゲラ笑いながら通り過ぎる。

気持ちは分るが・・・

まぁいい。こんな所で寝る方も寝る方なのだ。

むしろ、すこし恥ずかしい・・・気もした。

 

そんなこんなで、なかなか寝付けない。
10時を過ぎる頃、子供はスヤスヤと寝入っていた。

しかし、標高2000m近くは涼しい。
というより、肌寒い。イヤ、むしろ寒い。

おもむろに時計の気温を確認する。
カシオのプロトレックだ。
どれくらいの誤差があるか分らないが、自分の肌で誤認識しないようにベンチの上にしばらく置いておいた状態だ。

17.6℃・・・

(-_-;ウーン、益々寒気が増した。

子供はシュラフで暖かいが、自分はそこそこ厚着した程度でレインコートのみだ。
まあ、自分で選択したことだ、今更ボヤキもでない。

ただ、少し後悔した・・・。

そして、二度目はないと決心した・・・。

ほんの半日前は仕事をしていた平日の金曜日。
暑い昼間から、寒い夜中まで長距離を移動してきた一日だった。

 

しかしまぁ、山行記も4になっているのに、なかなか登山まで進まない。

そう、それだけ富士山への道のりは、険しく遠いのだ・・・

 

次回、いよいよ登山開始。

つづく

コメント

うちもカーナビついてないよ~。。
何せ箱入り車だから、遠出はしないの。
本音は、運転技術が・・・

なにかワクワクするストーリ展開ですね~。
早く富士山に登って欲しいような、
登ってほしくないような気分です。。

ボクはどっちかというと
方向音痴なんだよねー
歌も音痴なんだけどw
だからカーナビがないと大変なんだジョー

次回はいよいよ登山開始だね。
楽しみだジョー

うちのカーナビは役に立たないジョ〜
時々海の上を走ってたりするジョ〜
しかし、時速40のトラックはヒドイね(^^;
歩けよ!っていいたくなるね。私は運転するときは、かなりスピードを出します。だけど標識わからないし、コーナーのミラーはどこがうつってるのかわからないし、信号がいっぱいあるとどれを見たらいいのかわからなくなるし、ブレーキとアクセルを踏み間違えたりするので、運転はやめてます。

>ガチャピンさん
ワクワクしますか?
こんな文章で楽しんでもらえてるようで幸いデス
前にアクアライン行ってましたよね?
あれが遠出とならないところがスゴイ・・・
地図で見た感じでは都心の高速道路はゴチャゴチャしてて怖いです。
ああ、コワヤコワヤ

>もんちゃん
えー?もんちゃん方向音痴だったのか
そうは見えなかった
普段落ち着いてるし・・・
そうそう、そろそろ第32回ヤキニクの日が近づいてきてますな
ウチは第3回ヤキニシンの日をめでたく迎える事が出来ました

>じゅんちゃん
・・・・・・・・・・・。
う、うん。じゅんちゃんは運転ヤメテ。世の人のためにも(爆)

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