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スル・シナイ ソノ・カク

第3期に突入しててんやわんやですが
ガッコの資料よりもナマの事例にぶつかって
さらに勉強になる刺激的な時期になりましたね

以前に書き留めておいたネタです
忙しいこの時期に・・・とも思いましたが
他にたいしたネタもないのでupします

**********

法人税法の条文の表現
ま、受験生にとってみれば理サブ、理マスの言いまわし

ついついアヤフヤになりがちな
その事業年度の~」
各事業年度の~」
の二つ

とあるセンセの話によると
“どっちにしたらええか迷うたら、「その事業年度」にしたらええねん”
というくらい、なんともアバウトな感じですが・・・

この点に関して、キッチリと表現できる目からウロコのプチ情報


法人税の決算調整と申告の手引(平成19年版)
この中から発見しました

そんなん知ってるよー!
当たり前やん!

って言われそうですが・・・
そもそも目からウロコなのかどうかも疑問ですが・・・

あまり気にせず、知らなかった人のためにもUP
あいかわらず長いですよー、ダラダラの下手くそ文章で失礼します

まず、法人税の基本中の基本のおさらい
法人税法第21条
内国法人に対して課する各事業年度の所得に対する法人税の課税標準は、各事業年度の所得の金額とする。

そしてすべての根幹である、各事業年度の所得の金額の規定
法人税法第22条①
内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。

キーワード
21条各事業年度の所得に対する法人税」「各事業年度の所得の金額
22条益金の額」「損金の額

5条で課税所得の範囲が定められているわけですが、法人税の種類のヒトツである「各事業年度の所得に対する法人税」は21条以降に規定されていくわけですね。
で、その構成要素は「益金の額」と「損金の額」のみであり
22条②、③でそれぞれふちどり的な感じで、なんぞや?と規定してますよね。

益金の額は、収益の額であることを大前提として
例示的に以下のようなもの
資産の販売
有償による資産の譲渡
無償による資産の譲渡
有償による役務の提供
無償による役務の提供
無償による資産の譲受け

損金の額
原価の額
費用の額
損失の額

益金の額損金の額は具体的には何の説明はないわけで
「別段の定め」という個別規定を置いて、それぞれを定めているわけですね

ま、それはサラッと読み飛ばしてもらって

「別段の定め」に関しては
益金の額に算入する
益金の額に算入しない
損金の額に算入する
損金の額に算入しない
の4パターンで構成されていて、この表現以外には無いわけですね

そしてコレに絡めてのポイントは
いつの事業年度の計算においてか?というところでしょうけど、
については、それぞれに定められている金額を益金の額又は損金の額に算入する事業年度を特定していて
については、「各事業年度の所得の金額の計算上益金の額損金の額)に算入しない」というように定めています。

ココが理論教材には省略されてしまっているために、理解がアヤフヤになってしまう原因かと思います。
そして、本来の条文では「当該~」となっている部分が「その~」とやわらかく表現しているのも原因のヒトツ。

(◎_◎) ン?
とアタマがゴチャゴチャにならないようにもう一度整理します

■ポイント整理

「算入する」規定は事業年度を特定します→「その事業年度」
「算入しない」規定は事業年度を特定するわけではなく→「各事業年度

教材では
算入するその事業年度の○○に算入する
算入しない各事業年度の○○の額に算入しない

でも実は条文上は
算入する当該事業年度の所得の金額の計算上○○の額に算入する
算入しない各事業年度の所得の金額の計算上○○の額に算入しない

教材で省略されたり簡略されたことでアヤフヤになることもあるってことですね
ま、膨大な条文をコンパクトにまとめてくれてるので、使い勝手が悪いわけじゃないですけど

 

さらに、自分の考え、考察的なものを・・・

教材の場合は各事業年度の(所得の金額の計算上)○○の額に算入しない
と、グレー部分が省略されているので
あたかも“いつの事業年度の”的な論点で解釈しそうですが、

実は、事業年度が特定されているのは“算入する”規定だけであって
いつの?という論点が表現されているのは“算入する”の方だけなんですね
“算入しない”規定については、「各事業年度の所得の金額の計算上」という表現ですから、言い換えるなら、課税標準を計算するにあたっては、絶対的に、恒久的に、いつ何時も、永久に算入されないわけですね

同じ“所得の金額の計算上”って言ってますけど
上は、“特定の事業年度の~”って意味合いですが
下は、課税標準とされるべき“各事業年度の所得の金額”の計算についてのことなんですよね

だから、申告書の四表において「社外流出」という欄に記載されるのも納得です
寄付金、租税公課、受取配当等、役員給与など「各事業年度の○○の額に算入しない」と表現されてるんですね
交際等は措置法という時限立法のため「当該事業年度の~」となっていますが
その前提にちゃんと「各事業年度において支出する~」と表現されています

ま、例外もあったりと矛盾も出てくるかもしれないですが、基本として覚えておけばその後の応用も効くんじゃないかなーと思ったので紹介してみました

また、留保というのも、裏返し的な考えで言うと
当該事業年度の所得の金額の計算上○○の額に算入する
というわけですから、それ以外の事業年度中に損金経理なりをしてしまっているために税務調整をして留保するわけで
実際に当該事業年度になれば認容されるってことなんでしょうね
減価償却の論点の辺りなんて、特にそんな感じの表現がされてますよね

というわけで
うっとおしい薀蓄は放って置いて
タイトルのスルシナイ ソノカクを並び替え
そのスル各シナイ」で覚えちゃえば完璧です

 

以下、参考までに・・・

話は飛びますが、損金の額についての捉え方の視点というか、リクツ

役員給与の損金不算入の規定について
改正になって原則不算入の取扱になった、と言われていますが
コレは認識の間違いで、役員給与は販売費及び管理費その他の費用であるから
損金の額であることが大前提であり、原則損金算入の立場のうえで
恣意的な利益操作などによる租税回避を防止するために要件を設けたというわけみたいですね
それなので、
34条①「次の給与のいずれにも該当しないものの額」の部分
34条②「過大な役員給与」の部分
34条③「仮装経理等によるもの」の部分
について損金不算入としているわけですね

実務的には「損金の額に算入するように」っていう処理で対処していきますが
理論的には「損金の額に算入しない部分はどれか」という処理になるんですね
試験は後者の感じで対応してるような・・・
だから実務と理論はかけ離れるって思うときがあるんだなぁ
ま、表裏一体なのでそれはそれで良いですが
かといって、損金不算入にならないから損金算入かっていうと
それも一概にそうではないのでグレーゾーンの勉強が必要になってくるんですな

しかしながら、なんやかんや
これも試験勉強とはかけ離れてきちゃうもんですな
試験は「税理士となる資格を有する者」の立場をゲットするものなので
本当の意味での税理士になるにはまーだまだ先の話ってことね・・・

まだまだ勉強する事は沢山あるなー

コメント

なる〜♪
面白いね。
今、携帯だからパソからみたときにまたじっくり読むジョ(^3^)/
そうそう、各とその、わかんなくなっちゃってさぁ、「各」とも「その」とも読める字で書いたりしたジョ(^o^;)
漬物石、いいね〜♪
なんだか欲しくなってきたなぁ

なんか、カラフルできれいですね~

「各事業年度」「その事業年度」など、わりと感覚的に覚えてた気がするので
その裏づけはいかに?と考えると深いですね・・・
日本語の奥深さも感じました。。

ほんとの意味での税理士になるためには、まだまだ多くの知識と経験が必要みたいです。

携帯から全部読んだよ~

始めに出てくる「その各事業年度の~」って書けばいいって言った先生はキム兄だ~

条文をコンパクトにまとめてくれてるから専門学校の理サブって便利なんだけど、時々意味不明なところがあるよね…

やっぱり条文に戻って、その条文の構成をしっかり理解しないと今回も勉強になりました~ありがとうね。また期待してま~す

>じゅんちゃん
携帯からは超読みづらいと思うので
PCからをオススメします
漬物石は家でじっくり読んだりすると良いから
外でしかベンキョしないじゅんちゃんにはちと重すぎるよね
今回の発見で曇りがかってた部分がクリアに晴れた感じなんだな
たいした事じゃないかもしれないけど、俺にしてみたら大発見的なもので
結構自信持って、“その”か“各”かを付けられるようになったというか

っていうかどっちとも読めるような字ってどういうの?
今度その字を見せてオクレsweat02

>ほうちゃん
キーワードというか定義語などを色分けして整理すると
自分のアタマの中が整理して理解できるので
結構蛍光ペンを多様しちゃうんですよね
そのクセでつい色分け法を使ってしまうんですよ
なかなかセンス良い配色までは行きませんけど・・・

法律で理屈面をいくら勉強しても
政治的な力でどうにでもなってしまう現実面を垣間見ると
結構落ち込んだりしますsweat02
しかしまあ、世の中捨てたもんじゃないと思いたいです

>じゅりあさん
お~、じゅりあさんの登場はご無沙汰ですな!
そうそう、キム兄、しかもソレを聞いたのはたしかじゅんちゃんから(笑)
花粉大丈夫でっか?
ガッコはそろそろなのかな
きっともっと専門的に勉強するんだろうから
ゆくゆくその後は色々とご指導お願いしますヨ(爆)
若い時こそトコトン条文とにらめっこで
実務解説本はエッセンス的に、と今の事務所のセンセも言ってます
もっとも税法だけじゃなくて、民法や会社法、その他の関係法令も
網羅的に勉強していかなければならないんだけどねぇ
勉強すればするほどアタマが硬くなるようで
ほどほどの息抜きとバカ話などを行ったり来たりしたいね~

うそお~ すごいなぁ。
「その」と「各」は、一応意味を考えて覚えていたような気がするんですが、この法則、すごくイイ!
多分同じようなことを考えていたんだと思うんだけど、こんな感じでスッキリ法則化したことはなかった。。
色々見てみて、今後例外が出てきたらそこを押さえればいいし。。ありがとうございます!

そうそう、実際は「当該」なんですよね。
「その」は1秒で書けるけど、「当該」は5秒くらいかかりそうだ。。

てか、じゅんちゃんの「その?各?」みたいな字ってすごく気になるジョ
それができたら無敵なような(笑)

>蘭さん
この法則を意識して理論覚えると、なんとなくスッキリ入る感じですよね
例外については例外なりに意味があるわけで
そういったことも、なんでや?と思ってしまうクセがあるんですよねぇ
理解については貪欲なんですが
問題文の読み込みがおっちょこちょいなので、どうしてもミスが目立つんですよねぇ
自分のウィークポイントをきっちり抑えていかないと!
3月も頑張っていきましょね

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